『COMING KOBE 23』へ行った話
『COMING KOBE 23』の一日目へ行ってきた。
1995年の阪神淡路大震災の復興・チャリティーを目的として前身である"GOING KOBE"から始まったこのイベントも今年で19回目らしい。
"GOING KOBE"から2010年に"COMING KOBE"へ改称した頃までは、私が頻繁にライブへ行っていた時期であったこともあり開催のたびに予定が合えば行っていたが、ここ数年は少し足が遠のいていたので久しぶりの"COMING KOBE"である。
ワールド記念ホールや神戸夙川学院大学で開催されていた時の印象が強く、神戸メリケンパークで開催されるのは少し新鮮な気持ちであった。
当日のタイムテーブルはこちら。
今回かなり遅い時間に行ったため実際に着いたのは16時半頃で、イベントの半分以上は既に終わっていた。ライブを観たと言えるのは以下のバンドのみ。
- THE BACK HORN
- Ailiph Doepa
- GOOD4NOTHING
- ROTTENGRAFFTY
- 八十八ヶ所巡礼
しかもずっとビールを片手にゆるーい感じで眺めていたので感想は簡単に。
THE BACK HORN
コロナ禍前後辺りから久しぶりに観たいなぁとずっと思いつつもなかなか観る機会がなかったTHE BACK HORN。
これまで何度も観てきたTHE BACK HORNの音圧というかボーカル山田将司氏の鬼気迫るオーラというか、そういう強い気のようなものが今回は少し弱く感じたように思えた。それはきっとメリケンパークという場所柄、イベントとしてそこまで大きな音を出せないであろうからであって、演者側の気合とかやる気とかそういう問題ではない。
この時点で今回はゆるく観るのがちょうど良いかなという気分になったので、ビールを購入して、それほど混みあっていない後方スペースで音に揺られながら観ることにした。
そんなことを思いながらも、長く見続けているバンドということもあってか、程良く自然に体が音に揺らされる感じがあって心地よい。
Ailiph Doepa
THE BACK HORNの音を後ろに聞きながら、会場外にあるステージへ移動。
小さな屋外スペースだが観客が密集しており皆手を上げたり頭を振ったりしてルールの範囲内でとても盛り上がっている。
ラウドロック的な括りには属するであろうバンドなのだが、曲中であってもコロコロとジャンルに囚われずに曲調が変化していくさまは、至極最近の音楽という印象であり、盛り上がる観客の密度の高さも納得である。
GOOD4NOTHING
この辺りで友人と合流して、よりいっそうゆるい心持ちでライブを眺めることになる。
G4NはボーカルTANNYが2019年に脱退して現在の編成になってからは初めて観る。元々そこまで頻繁にライブを観てきたわけではないので、とても軽い気持ちで流れる音楽を耳に入れていると「あぁ、G4Nだなぁ」という感じで聞けるのだが、ステージへ目をやってきちんと聴くとやっぱりボーカルが変わったのだなと実感する。個人的にはそんなに否定的な違和感ではないのだけれども、たぶん長く聴いてきた人ほどその違和感は強いだろう。
それでも歩みを止めず、こうやってライブを続けている様はロックだなぁと思ったりもした。
ROTTENGRAFFTY
ロットンも何年前かのポルノ超特急以来とかで観たと思う。
最近は大きなステージでライブをしている様子を観ることがすっかり多くなったので、今回のような比較的控えめな大きさのステージで行われるライブを観るのは少し新鮮なような、少し懐かしいような。
このイベントの創設者であり故人である松原氏への想いを限られた時間のMCで熱く語っていたのが印象的。他のバンドもきちんとMCを聞いていたわけではないのだけど、今回ステージを観たバンドの中で松原氏に触れたMCを聞いたのはロットンだけだった。
八十八ヶ所巡礼
ライブへ行こうかなと思うと決まってチケットが完売していて、長らくステージを観れていなかった八十八ヶ所巡礼。
数年ぶりに観るメンバーのスタイルは以前と変わっておらず、今もマーガレット廣井氏は親孝行を訴え、一升瓶で酒を飲み、(ダイブ・モッシュは禁止なので)フロアへ降りて観客とハイタッチをするなどをしていた。
スタイル自体は変わっていないとは言うものの、マーガレット廣井氏自身は過去に観ていた時のような尖った雰囲気が随分落ち着いて丸くなったような印象を受けた。その印象の変化には納得する部分はありつつも、ライブとしてはもうちょっと尖ったままでも楽しかったかなという気持ちにもなった。
ここで友人が撤収することにあり、それに合わせて会場を出ることになった
このイベントが商業イベントであるのならばワールド記念ホールで開催していた頃のようにもう少し大きな規模でたくさんの観客が集まるくらいの方が良いのにと思ったところだが、フリーのチャリティーイベントだと考えれば今回のような規模感で観客もラフな雰囲気で参加できるくらいの方がちょうど良いのかもしれない。
そんなことを考えながら、メリケンパークを後にした。
『COMING KOBE 23』
Loc: 神戸メリケンパーク