Protect Display/液晶を保護する話

 


スマートフォンを購入すると毎回必ずすることがある。

それは保護フィルムを一緒に購入して液晶画面に貼る儀式である。

液晶画面に傷が入ってしまったり割れてしまったりしてしまうと、スマホ自体は問題なく使える状態であってもスマホそのものが故障してしまったかのような気分になってしまう。だから液晶画面の損傷を防ぐために毎回保護フィルムを購入して、利用開始と同時に保護フィルムを貼っている。

これについては同意してくれる人もいるだろうし、完全否定する人もいることだろう。

昔のiPhoneであれば液晶画面がバキバキに割れた状態のままで使用している人はよく見かけたし、最近であれば液晶画面のガラスそのものが強化されているものが一般的になってきたのもあって保護フィルムはもう不要だと考えるようになった人も増えてきていることだろう。

それは理解していて実際主に家庭内だけで使うパソコンのディスプレイやタブレットなど保護フィルムを貼っていないものもある。しかし私は手を滑らせてつい持っているものを落としてしまうことがしばしばあるので、頻繁に持ち運ぶ道具であるスマートフォンに関しては保護フィルムを貼らないことで破損するリスクが気になってしまい必ず貼ってしまう。もしスマートフォンを購入したタイミングで保護フィルムが同時に手に入らなかった場合は、保護フィルムが手元に届くまでは新品の液晶画面によく貼られているビニールを剥がさずに使用するくらいである。

もはや保護しているのは液晶画面なのか自分の心の平穏なのか、どちらか分からない状態である。



そんな感じで最近はスマートフォンのように携帯する端末には保護フィルムを貼る私である。

スマートフォン以外であれば、古くはiPodやウォークマンのようなポータブル音楽プレイヤーも必ず液晶画面に保護フィルムを貼っているし、最近であればSwitch2にも保護フィルムを貼っている。まぁSwitch2は外へ持ち運ぶような機会もほとんどないのだが。うるさいよ。

それはともかく。そんな私を最近悩ませているデバイスがある。それはスマートウォッチである。

手首にベルトで固定されているので手を滑らせて落としてしまうこともないし、スマートフォン以上に軽量なデバイスだから地面へ落としたところで自重の衝撃で割れてしまうようなこともスマートフォンに比べれば少ないだろう。とは言え、腕時計自体が常に身に着けて携帯するデバイスであり、私の場合は睡眠時間の測定などヘルスケア目的で利用している面も大きいので、家の中でも常に装着しており携帯している時間の長さで言えばスマートフォン以上である。これは是が非でも保護フィルムを貼りたいデバイスなのである。



ここで少し話が反れるが、数年前に初めて私が購入したスマートウォッチはFossilのものだった。

当時はApple Watchが流行り始めたくらいの時代で、Android系のWearOS搭載のスマートウォッチと言えばGarminとかGalaxyとかあたりがメインだっただろうか。そんな時代にスマートデバイスメーカーというイメージもない時計ブランドのFossilを選んだのは、所謂普通の腕時計みたいなデザインのスマートウォッチだったからであった。

スマートウォッチの多くが一見してすぐスマートウォッチであると分かるデザインがほとんどで、プライベートであればまだしも仕事中に身に着けるのはなんとなく憚られていた。そんな時にパッと見普通の腕時計に見えるFossilのスマートウォッチを見つけて、「これだ!」とばかりに購入したのであった。

こんな感じのデザインで黒い縁取りのを使ってた

そんなかんじでしばらくの間はFossilのスマートウォッチを使用していたのだが、2年ほど前、2024年にスマートウォッチ事業から撤退してしまった。スマートウォッチの普及に伴う競争激化に生き残ることができず従来の腕時計事業に専念するというのが主な理由であった。「スマートデバイスのメーカーではない」というブランドを選んだ理由が、そのまま事業終了の理由になってしまったというわけである。

事業撤退の報道からもしばらくの間はFossilのスマートウォッチを利用し続けていたのだが、従来の腕時計と違って定期的なアップデートが必要で新機能が追加されていくことも多いスマートウォッチなのでどうしても機能面で厳しくなっていってしまい、昨年末に買い替えることにした。そこで新たに購入したのがPixel Watch 4である。


Pixel Watch 4

fossilのものに比べると見るからにスマートウォッチっぽさはあるデザインなものの、スマートウォッチにありがちな四角いディスプレイではなく腕時計ぽい丸いディスプレイが良い。

私がスマートウォッチを初めて購入した頃よりもスマートウォッチ自体が市民権を得てそれほど悪目立ちしなくなってきたことや、もしTPOを気にしなくてはならないようになったらオプションのバンドだけ買い替えることもできることもあり、なおかつGoogle製なのでセキュリティアップデートや新機能が登場しても一番適用されやすいであろうことも踏まえてこれにすることにしたのであった。



ここで保護フィルムの話へ戻る。

例によって文字通り二十四時間常に身に着けて携帯するスマートデバイスなので保護フィルムは貼りたい。幸い本製品はGoogle自らがPixel Watch 4対応の保護フィルムを販売している。おかげでAmazonのいろんなページをクローラーしたり家電量販店内をキョロキョロしたりして対応製品を探す必要もなく、また保護フィルムメーカーから対応製品が発売されるまで待つ必要などもない。Pixel Watch 4購入と一緒に当然のように保護フィルムも購入したのであった。

しかしこの保護フィルムが問題であった

正確には保護フィルム自体の問題というよりも球面上に縁どられたPixel Watch 4のデザインなのかもしれないが、保護フィルムではその球面状ディスプレイの縁まで覆うことができないのである

スマートウォッチに限らずスマートフォンでも保護フィルムがディスプレイの縁までは覆わないのはよくあることではある。とは言えこの保護フィルムはディスプレイのほぼ平面部分しかカバーすることが出来ない。腕時計という仕様上、液晶を破損する恐れのある事故を想像すると守りたいのは液晶の中心部分よりも縁側である。これではビキニアーマーで安全を保障されるようなもので、事故への不安を払拭することができない。

仕方がないので球面ディスプレイ対応を謳う別の保護フィルムも購入して試してみたのだが、今度はその球面が仇となってフィルムを貼って数日も利用していると縁からフィルムが剝がれてしまった。フィルム自体が平らなので当然と言えばそうなのだが、これでは保護フィルムで保護することができない。デザイン的に良いと思った円形球面状のディスプレイが「保護フィルムを貼ることによって得られる安心感」を尽く奪ってくるのである。ひょっとしたら命を刈り取る形というのは一見すると安全そうな球面状にあるのかもしれない



保護フィルムを貼ることを諦め、保護カバーを導入することにした。これであれば縁もきちんと覆われるので安心である。

保護カバー(※Amazonページ

しかし残念ながらこれで終わりではない。

Amazonのレビューを見てもらえば分かるのだが問題も多い。Pixel Watch 4は充電用の接点が液晶左側の縁にある。充電器にPixel Watch 4本体を立てるように置くと充電ができる形になっている。ちょこんと小さな置時計みたいな感じになって良いのだが、この形式故にカバーを付けてしまうと充電用の接点が覆われてしまうのである。カバーを付けたままでも充電ができるようにカバーにも金属が埋め込まれているのだが、カバーを付けた状態で充電器に置くと接触不良が起こって充電されないということが起こりやすい

Pixel Watch 4の充電の図

カバーを付けてしまうと折角の球面が隠されてしまい普通の平面ディスプレイのようになってしまうのでデザイン的にもイマイチな印象を受ける。だがそんな充電時のストレスやデザイン面の不満も液晶がきちんと覆われて保護されている安心感にはかなわない。カバーを付けた状態のままずっと使用していた。

そんな折、夏になって保護カバーにもう一つ問題が出てきた。

屋外をウロウロしているとスマートウォッチ本体と保護カバーの間にあるわずかな空間に結露が発生し始めたのである。カバー内に残ったわずかな空気が温められてその中の水分が液体になったというわけである。防水対応もあるので濡れたらダメというわけではないはずだが、充電用の接点も覆われている形状ゆえにずっと濡れたままになることで錆びたり腐食したりするというのもあり得ない話ではない。

保護カバーの「保護力」に疑念が生じてしまった以上、保護による安心を得られることはもうできない。結局保護カバーも外してしまった。



Pixel Watch 4が発売され保護フィルムを試したのも保護カバーを買ったのも昨年の話である。

発売直後だからこなれていなかっただけで発売からもうそろそろ1年経つのだから、より良い保護ツールが登場するかもしれない。そんなことを思っていたらPixel Watch 5が発売されてしまった。

新製品が出たからにはアクセサリーも新製品向けのものが主になっていくだろう。Pixel Watch 5の外見はほぼ4と変わりないので、4/5両対応したより良い保護フィルムやカバーが登場する可能性もまだ残っているが、状況は厳しくなってきているというのは確かだろう。

スマートウォッチの液晶の保護という安心を失った状態の今。私に再び安心が訪れる日はやってくるのだろうか。何か良いものを知っている人がいたら教えてください。


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