『シン・仮面ライダー』を観た話

 


『シン・仮面ライダー』を観た話。(ネタバレはしない程度に)


普段映画館へ行って映画を観ることはほとんどないのだけど、外出先で2時間ほど時間をつぶす必要が出てしまい、都合よく近くに映画館があり、タイミングよく上映が始まる時間だったので観ることにした。

ちなみにシン・仮面ライダーの事前情報はほとんど知らない状態であった。何件か鑑賞報告が上がっていたのと、ドキュメンタリーが(悪い意味で)話題になっているのを、ツイッターのTLに流れてきたのを目にしたくらいである。

まぁ仮面ライダーだから予備知識なくても観れるだろう、という安易な判断のもと、チケットを購入した。


単純明快な特撮アクション活劇。

…だなんてことは勿論まったく無く。主人公である仮面ライダー1号こと本郷猛の苦悩が頻繁に描かれていて、全般的に重い雰囲気が終始漂っている。オーグメントと呼ばれる怪人たちと戦いながら、その苦悩の根幹である出来事が描写されていく、という流れである。

序盤の戦闘シーンでは(PG-12というレーティングのわりには)流血描写が目立つ。

苦手な人にはウッとなってしまうかもしれない。映画を最後まで見れるか不安になるかもしれない。

しかし、戦闘を重ねるにつれて流血描写は徐々に目立たなくなっていき、終盤に多少あるものの中盤以降はほとんどなくなってしまう。

流血描写が”暴力性”という本郷猛の苦悩の一つを表していて、それが少なくなっていくことは苦悩が解消されていくことに繋がっているのではないかと感じた。

特撮映画なのでVFXによる戦闘シーンの描写も非常に多い。

仮面ライダーの必殺技としてお馴染みのライダーキックは、体を丸めてグルグルと回転しながら跳び上がり、頂点からはキックポーズのまま怪人へ一直線に向かっていく。物理法則とは…?となる昔ながらの特撮お馴染みの光景である。

CG技術が発達した現在だと、ギャグシーンかなと思うくらいに不自然かつ滑稽にも見える。

『シン・ゴジラ』のような他の庵野監督作品ではそんな印象はなかったことも思うと、おそらく意図的にそういった描写にしていると伺える。オリジナルの仮面ライダーへのリスペクトの表れ、ということだろう。

でもやっぱりコミカルには見える。

上で触れたように『シン・ゴジラ』は鑑賞済なのだけど『シン・ウルトラマン』は未鑑賞である。

その為かそれほど強く感じることはなかったけれど、シン・シリーズに共通して出演している俳優さんが多い。

このスターシステムは各キャストのバックボーンに想像(妄想)が捗るという点で、シリーズを通して観ている人ほどより楽しめる要素になるのだろう。

出演者で言うと、エンドロールで当然出演者一覧が出てくる。

怪人はマスクや特殊メイクで顔が覆われているのが大半で、誰が演じていたのか全く分からないまま退場してしまうため、エンドロールで流れた出演者が何処に出演していたのか全く分からないことが結構あった。

事前に公式の情報をきちんと確認していれば分かったのだろうけど、事前情報をまったく収集せずに鑑賞した故の悲劇である。言い換えれば、二度目も楽しめるのかもしれない。

シーンの切り替わりがとても急である。

登場人物が話していたと思うと、次の瞬間にはバイクで疾走している。そして次の瞬間には怪人と対峙している。

感情移入する余韻もなく、話がどんどん進んでいくため、置いていかれるような感覚になる。

2時間の物語の中で何人もの怪人と戦うため一つ一つが手短になるのは仕方ないのだろうけど、ワンクールで語られるドラマを2時間にまとめてダイジェストでお送りしました、みたいな印象はあった。

こんな感じで気になるところはあったけれども、その辺りを割り切って観れば面白い映画だった。


これは入場者特典のショッカーIDタグ。ハチオーグ。


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